あなたの運命

土星が魚座タイプに伝える「苦しみの意味」、そして、「最初の逆行」の行方(7/13〜11/28)

2025年5月25日、土星が牡羊座へと移動しました。土星はここからの約三年、具体的には2028年4月13日まで牡羊座に滞在し、人々それぞれの人生の基盤を作っていくことになります。

人生とは、螺旋階段を昇るようなもの。同じ場所を何度も通っているように感じることがありますが、じつは、それは過去と同じ道ではありません。経験を重ねるごとに視野は少しずつ広がり、知らなかった自分の可能性に気づいていきます。過去の経験は、あなたを上昇させるための「土台」となり、歩む道のりは、未来に向かって螺旋を描いていくのです。

この道中、人は幾多の苦難や課題に直面することになります。でも、それらを乗り越えることでしか見えない景色があるし、試練を経ることでしか出会えない人がいます。あるいは、苦難を通して初めて、自分の天職などに気づくことも。土星が与える「試練」は、このような「試練」。いずれも、あなたを未来へと導くためのものであり、土星は成長を促す星といえるでしょう。そう、その「試練」がなぜ必要なのか、その苦難がなにを生み出すのか、私たちに理解させようとします。人々に課題を与えることで、より大きな成長への階段を築いてくれる存在といえます。

そして、7月13日から11月28日まで、土星は逆行します。

今回の土星の逆行は、5月25日の牡羊座への大移動後に起こる「最初の逆行」です。この逆行期間中の9月1日、土星は逆行するあまり、一時的に魚座へと逆戻りします。これは、私たちがこれまで過ごしてきた学びを、もう一度振り返る機会。過去の「苦しみの意味」を知る期間です。そして、11月28日に土星は逆行を終え、2026年2月14日に再び牡羊座へと移動することになります。

ここでは、魚座タイプのあなたに、今回の土星の逆行の影響について説明していきます。ただ、土星はその影響が深く、広くにまでおよぶ星なので、以下のとおり、ふたつのパートに分けることとします。

①2025年5月25日から2028年4月13日までの約三年間、あなたが土星から受け取る課題。

②2025年7月13日から11月28日までの土星の逆行によって、あなたが受け止める運命の調整。

さらにもうひとつ。①の「いまあなたが受け取る課題」とは、じつは、それまでの約二年三ヶ月、あなたが試練に耐えたことによって生み出されたものです。過去から続くストーリーとして、「いまあなたが受け取る課題」を捉えることがとても大切。この記事の最終章では、

③2023年3月7日から2025年5月25日までの約二年三ヶ月、土星の試練のもとにあなたが成し遂げたこと。

についても説明します。

5月25日までの約二年三ヶ月、③によってあなたが手に入れた「なにか」が、いまの①に通じています。そして、①の運命がより正しく流れるように、②の7月13日からの逆行が起こると考えてください。以下にて、①から③まで順を追って魚座タイプのあなたに流れるストーリーをお伝えします。

【①2025年5月25日から2028年4月13日までの期間、魚座タイプのあなたが土星から受け取る課題】

後半の文章②で改めてお伝えしますが、2023年3月から2025年5月までの約二年三ヶ月で、あなたは「人生の土台」となるものを手に入れる流れにありました。それは、たとえはっきりと意識していなくても、すでにあなたのなかに静かに根づいているものであり、これから約30年という長い時間をかけて、あなたの人生をしっかりと支えていく大きな基盤となるものです。

ただ、この「土台」はあまりに長くあなたを支えていくものだからこそ、いまの時点ではぼんやりとした抽象的なかたちでしか見えていないかもしれません。

そもそも目標や願いごとというのは、達成までの期間が短ければ短いほど具体的になりやすいものです。けれども、10年、20年といった長い時間をかけて叶えていくような目標である場合、「自分の力を活かせる場所で生きる」「本当に大切なものを守る」といった、より大きく、抽象的なテーマになっていくはずです。

そして、この約二年三ヶ月を通じてあなたがつかんだ「大切なこと」や「守りたいもの」も、まさにそういった、抽象的だけれども確かな「人生の柱」。あなたは、これから先の長い人生のなかで、この柱をもとに少しずつ具体的なかたちを与え、現実のものとしていくことになります。

その第一歩が、2025年5月25日から始まる約三年間といえます。

2025年5月25日から2028年4月13日までの期間、土星が魚座タイプのあなたに与える課題は、これまで見出してきた「人生の土台」をじっさいの生活のなかでかたちにすること、そして、

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「お金」と真正面から向き合うことです。

「家族を大切にする」という気づきを得た人が取るべき現実的な行動とは、まずは、その家族をしっかりと経済的に支えることです。ただ「愛する」だけではなく、その愛を現実のものにするためには、やはり収入や貯蓄は欠かせません。こういった「お金」についてのテーマは、どのような人生の土台を持っていても、共通して関わってきます。たとえば、「自分にとって音楽が一番大切だ」という人であれば、その大切な音楽をしっかりと続けていくための方法や、お金に変えるための手段を見つけるべきですし、「音楽はあくまで趣味にしておきたい」という人であれば、その趣味としての音楽を安心して続けられるよう、安定した仕事に就き、生活を支える道を模索することが重要です。

つまり、この約三年間、あなたが努力していくべきなのは、「自分にとって本当に大切なこと」、そして、「『お金』や『社会』との折り合いをどうつけていくか」ということです。ときには、それが妥協に見えることもあるかもしれませんが、長い人生を通して大切なことを実現し、守るためには、どうしても不可欠な「大人の知恵」なのです。

さらに、仕事という意味でも、この約三年間は大きな意味を持ちそうです。あなたがこれから「天職」と出会う可能性もありますし、すでに取り組んでいる仕事のなかに新たな意味や「やりがい」を見出す人もいるでしょう。「天職」とは、単に自分が得意だったり、好きだったりするだけではなく、「社会のなかで自分が果たすべき役割」も含んでいます。ですから、この約三年を通して、「ただお金のため」ではない、本当の意味での「働く意義」を感じる場面がきっと訪れるでしょう。

そして、最後に、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。それは、「『お金』に目がくらむのも、甘くみるのもいけない」ということです。「お金」とは、人生を豊かにし、あなたの大切なものを守り、育んでいくために、真正面からしっかりと向き合うべきテーマです。あなたが社会とどう関わり、どう自分の価値を届けていくのか。「お金」は、そのための「社会との接点」そのものでもあります。

この約三年間、土星はあなたにこういった現実的な課題をもたらしますが、それは、決してネガティブな試練ではありません。むしろ、あなたがこれからの人生を豊かに、充実させていくための「礎(いしずえ)」となるはずです。

②2025年7月13日から11月28日までの土星逆行、あなたが受け止める運命の調整】

7月13日から11月28日まで、土星は逆行します。これは、5月25日の牡羊座への移動以降、最初の逆行となります。

土星の逆行とは、これまでの歩みを振り返り、やり残したことに取り組む期間といえます。特に今回の逆行は、あなたが2023年3月から2025年5月までの約二年三ヶ月かけて向き合ってきた課題(以下、【③2023年3月7日から2025年5月25日までの約二年三ヶ月で、土星の試練のもとにあなたが成し遂げたこと】で詳述しています)を、もう一度見つめ直す機会となるはずです。

この逆行期間、これまで課題に直面したさいに下した決断について、改めて考えるできごとが起こりそうです。「本当にこれでよかったのか」「ほかの道はなかったのか」という問いが、あなたの心に浮かぶこともあるでしょうし、解決したと思っていた問題が、別の形であなたの日常に現れることもあるでしょう。

ただ、これは決して後戻りではありません。むしろ、新しい人生の基盤をより確かなものにするための、必要な点検作業とでも呼べるもの。建物を建てるとき、基礎工事後に必ず強度を確認するように、土星はあなたがこれから築いていく人生の「土台」が本当に堅固なものかを試そうするのです。

特に9月1日には、土星は一時的に魚座へと戻ることに。ここでは、③の約二年三ヶ月を深く振り返るきっかけが訪れ、当時は気づかなかった学び、見落としていた大切なことなどが明らかになるかもしれません。つまり、過去の「苦しみの意味」を知ることもあり得るというわけです。

この逆行期間全体を通じて、あなたは「終わり」と「始まり」の間に立つことになります。過去の試練や苦しみから得た気づきを整理し、これから始まる新たな約三年間の旅に必要なもの、必要ではないものを見極める──それこそが、この逆行期間の本質的な意味。過去の③の期間と現在の①の期間とを繋ぐ架け橋ともいえる期間です。

11月28日に土星が逆行を終えるころには、あなたのこれまでの苦しみや試練は過去のものとなり始めているでしょう。傷は完全に癒えていないとしても、それを客観的に眺めるような距離感を、あなたは手に入れているに違いありません。

そして、土星が再び牡羊座に戻る2026年2月14日、あなたは過去を「土台」として、いま直面している①の課題へと飛び込んでいきます。

【③2023年3月7日から2025年5月25日までの約二年三ヶ月で、土星の試練のもとにあなたが成し遂げたこと】

2023年3月から2025年5月まで、土星はあなたの星座・魚座に滞在していました。

結論からお伝えすると、この期間は、「今後30年スパンの人生の基礎作り」の期間でした。少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、約二年三ヶ月にわたってあなたが努力してきたこと、掴もうとしてきたこと、見出してきたこと――それらが、あなたのこの先の長い人生を支えていく「土台」となっているのです。すでに「その土台がなにか」を明確に理解している人もかもしれないし、まだ見当もつかないという人もいるかもしれません。いずれにしても、約二年三ヶ月がかりで築き上げられた「土台」は、間違いなくあなたの内側に根づいています。

実感としては、「ただただ辛く、大変な時期だった」と感じる人も多いでしょう。

土星は、かつて「不幸を呼ぶ星」などといわれることもありましたが、それは、大きな誤解です。土星は、人が本当に成長するために、人生に深い意味を見出すために、正しい道を指し示す星です。その過程が平坦な道ではないがゆえに、さまざまな試練や困難が訪れます。土星の働きは、よく「筋トレ」にたとえられます。筋肉を本当に強く大きくするためには、自分がギリギリ耐えられるくらいの負荷をかける必要があります。軽い負荷のままいくらトレーニングしても、筋肉が鍛えられないのと同じです。土星は、この「耐えられるギリギリの負荷」をあなたに与えてきたことになります。

この約二年三ヶ月を経て、あなたは確実に人としての大きな成長を遂げています。 自分ではまだその変化に気づいていないかもしれません。しかし、確実にあなたのなかで変化は進んでおり、約二年三ヶ月前にうっすらと予感していたことが、いまでは「確信」に近いものへと変わっているはずです。あるいは、まだ確信とまではいかずとも、「この方向に進むのかな」というぼんやりとした道筋が見えてきた人もいるでしょう。もしあなたのなかにそういった「なにか」が芽生えているとしたら、それこそが、あなたの今後の人生を支えていく「土台」です。

この「土台」とは、「考え方」や「価値観」でもあります。いい換えるならば、人生観や「自分にとってなにが一番大切なのか」といった根源的な「気づき」です。 これまであなたが直面してきた試練や努力の成果は、分かりやすい「成功」や「結果」となって表れるとは限りません。それらすべての経験を通じて形作られた「あなたという存在」が、まさにその成果なのです。

たとえば、この期間に「私にとって一番大切なのは家族だ」と気づいた人がいたとします。「気づき」を得た人は、今後、家族ともっと長い時間過ごせる仕事を選ぶ可能性もあれば、家族が幸せになれる場所へ住むことを決める可能性もあります。つまり、「大切なもの」という「気づき」によって、これからの人生の選択がすべて形作られていくというわけです。

ただ、こういった「気づき」を得るためには、ほかのさまざまな可能性をふるいにかけ、ときには痛みを伴うような試練を経なければならないのもまた事実です。もしこの約二年三ヶ月がとても厳しく、苦しい時期だったとしたら、それは、あなたが無数の選択肢のなかから「自分にとって本当に大切なこと」を見出すための過程だったのでしょう。そして、すでにあなたはその核心に近づいています。