あなたの運命

冥王星逆行が牡牛座タイプに与える影響(4/30〜10/9)

冥王星が約16年かけてもたらす変容。そして、逆行がもたらす意味。

4月30日から10月9日まで、冥王星が逆行します。

冥王星はとてもゆっくりと移動する星です。太陽系のどの惑星よりも遠くに浮かんでいる星で、じつに248年という長い月日をかけて12星座を一周します。そのため、ひとつの星座には12~32年という長期間の滞在をすることになっています。平均年齢を80年と考えた場合、人が人生で経験する冥王星の星座移動は四、五回。月は一ヶ月で12回、太陽は一年で12回星座移動するのに比べて、ずいぶんゆっくりとした速度であることがわかります。

いま、冥王星は山羊座に滞在しています。2008年に山羊座へと移動し、2023年3月までの滞在予定です(正確には、その後逆行することで再び山羊座に戻り、2024年1月まで滞在します)。

今回、冥王星逆行について述べるにあたり、そもそもの冥王星の役割、そして、それがあなたにもたらす「変容」を併せて知っていただく必要があります。以下、①②③の三つの章にわけ、冥王星が牡牛座タイプのあなたに与える影響をお伝えしていきます。

①冥王星の役割

②冥王星があなたにもたらす変容

③逆行がもたらす影響とその意味

冥王星はとてもゆっくりと進む星なので、その影響は日常では気づきにくいものです。したがって、逆行もことさらに警戒する必要はありません。とはいえ、この逆行期間に起こるできごとが、あなたをどのような「変容」に導くのかを意識することは大切です。

①冥王星の役割

冥王星は「変容の星」です。世界の深い場所に働きかけることで、すべてをまったく違うレベルのものに生まれ変わらせる役割を持っています。「変革」といえば、天王星が思い起こされるでしょう。でも、天王星がもたらす変革が表側のわかりやすい変革だとしたら、冥王星がもたらすのはもっと裏側、というより、底のほうからの「変容」といえます。「変革」には革命的な賑やかさを感じますが、「変容」には根本からなにかが変わっている不思議さがつきまといます。これは、ふとした瞬間に覚える「そういえば、昔あれだけ好きだったこと、執着していたことがどうでもよく思える」といった気持ちに近いかもしれません。自分の存在がジワリと、かつ根本的に変わることで、以前とは違う価値観が身に付いたことを、あるとき突然気づく感じです。天王星がもたらすのは「表」の変化とお伝えしましたが、冥王星はその表の部分を下支えしている「価値観」「考え」「思い」などに変容をもたらすように思えます。

このような「変容」をもたらすにあたってキーワードとなるのが、「死と再生」という言葉です。サナギから脱皮して美しい蝶が生まれるように、あるいは自ら火に飛び込んで死ぬことで再び蘇る不死鳥のように、ひとつ「なにか」を終わらせることで、新たな「なにか」を生み出す役割を持つのが冥王星なのです。

この「死」という言葉はあくまで象徴として理解するもので、それは「終わり」や「破壊」、」または「喪失」といったイメージでとらえても大丈夫です。冥王星が司るのは、「なにかを始めるには、なにかを終わらせる必要がある」という教えでもあるのです。ただ、これは自分で無理矢理終わらせるといったものではないようです。気づかぬうちに自然と終えていたり、仕事や生活、あるいは恋愛など、具体的な悩みや課題を抱えて必死で生きているうち、気づいたら終えていたり。そのような感じになることが多いはずです。

②冥王星が牡牛座タイプにもたらす変容

そして、冥王星が2008年からの約16年間で牡牛座タイプのあなたにもたらす変容は、「遠くの世界」を巡るものとなっています。あなたの思考や価値観がひとつの段階を終えて新しい段階に進む、そんな変容のプロセスを経るのがこの期間となっているようです。

この変容のプロセスは、新しい価値観を得るためのものです。たとえばいままで欲望が強く、恋愛やお金などといったことに執着が強かった人が、その価値観を脱してより精神的なことに価値を見出す流れとなっています。哲学やスピリチュアルなテーマに心を引かれる人も増えていくはずです。このように聞いて「なんだか修行僧のようで地味な感じ……」と思う人もいるかもしれません。ただ、そんなに思い詰めた出家のようなものではないのです。あなたはもっと自然に「遠くの世界」を求めるようになるのです。

たとえば、目の前にある商品を見て、それが作られた現場を想像する。自分の日々食べている食品はどんな人が関わったのか気にする。日々行なう仕事は誰のためになっているのかが気になる……など、日々接する現実世界の背後にある、自分の知らない世界への興味が増すということです。

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