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「雨水」の季節です(2/19-3/4)

二十四節気で、氷がとけて水となる「雨水(うすい)」の季節となりました。

「立春」の次の二十四節気は「雨水」です。日付は2月19~3月4日となります(毎年ズレはあります)。二十四節気を3つの季節に分けた七十二候で、初候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」、次候は「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」、そして末候は「草木萌動(そうもくめばえいずる)」となっています。

また、後ほど登場しますが、より古い宣明暦と呼ばれる暦では、初候は「獺祭魚(たつうおをまつる)」、時候は「鴻鴈來(こうがんきたる)」、末候は上記と同じです。

春を待ち望むのは、もちろん私たち人間だけではありません。自然界も動物界も暖かな春の日差しに恋焦がれています。余談ですが、西洋では“冬があとどれくらい長引くか”を占う「グラウンドホックデイ」が2月2日に行われたりもしています。

さて、雨水という言葉に表現されている通り、氷や雪が溶けて温もりをもった水が大地へと染み込んでいくことで、植物や作物が育つ土壌が作られていきます。冷たく乾いた土地では作物は満足に育ちませんが、こうしてぬかるんだ地面となり、日に日に暖かさが増してくると、いよいよ農耕を始める季節がやってきたと、昔の人は喜びと共に鍬を手にしたのかもしれません。

当然のことながら緯度や土地の高低差により寒暖の差があるため、そもそも雪が積もらない地域もありますし、小川が凍る光景に至っては写真や動画でしか見たことがないという人もたくさんいると思います。

二十四節気が作られたのは日本で言えば東北付近の緯度に当たる中国の内陸部で、たとえば本州の太平洋側と比較するとかなり寒い地域です。七十二候に関しては日本式にアレンジされてきましたが、この二十四節気の名称はそのまま使われており、特に日本の南にお住まいの方にとっては気候の感覚に違いがあるなと思う側面もあるかもしれません。

それはさておき、雨水にて氷が溶け、あるいは雪が雨に変わって土壌を潤し、次第に大気中の水分が飽和状態となると霞(霧や靄:もや)が立ち込めたりもします。やがて春の気が強くなるにつれて、草木もその体を揺り動かしながら元気に成長していく、というわけです。

ここで冒頭に出てきた、宣明暦での初候「獺祭魚(たつうおをまつる)」に目を向けてみましょう。獺(たつ)とは「カワウソ」のことです。カワウソが水面上の魚を獲得して川辺に並べ、また魚を捕まえてきては並べ、その後、安全なところで食べるという情景をうたったものです。その並べる様子がお供えをしている風だというところから「魚を祭る」とあるわけです。

一つ前の「立春」の末候は「魚上氷」であり、西洋占星術では水瓶座の終わりの部分でした。一つの星座の終わりは次の星座の兆候を含むため、ここでの氷を突き破ろうとする魚は魚座の象徴です。そして雨水になった瞬間、占星術では魚座になります(太陽黄経330度)。

カワウソが捕まえた魚を陳列する様子は、まさしく魚座を端的に表していますし、雪や氷が溶けて大地や大気に混ざる様子も、魚座がもつ融解や混然一体という意味と重なります。

二十四節気や七十二候の中には、単に気候や生態学的な理由からは説明の難しいものがありますが、こうして十二星座との関連で考えてみると意外なつながりがあることを発見できたりします。また、二十四節気や七十二候は暦の一要素であり、十二支とも密接に関わっていますから、十二星座と十二支とのつながりも併せて考えてみるという楽しみ方もできます。