NEWS

「東風解凍(こちこおりをとく)」5日間です(2/4-2/8)

二十四節気「立春」の初侯が、七十二候の「東風解凍(こちこおりをとく)」です。

二十四節気の初めである立春、その最初の五日間(=初候)を「東風解凍」(こちこおりをとく)といいます。「こち」とは全く耳慣れない言葉ですが、瀬戸内海の漁師言葉での東風だとか、吉兆(こ)の風(ち)の意味だとかいわれています。普通は「とうふう」、あるいは少しもじって「はるかぜ」と読ませます。東風という言葉自体、春の季語です。

東というのは日の出の方位であり、新しい一日が始まることを象徴しますが、ここでは「解凍(こおりをとく)」と季節がうたわれていますので、一日ではなく一年の始まりを象徴しています。実際には今は立春ですので、意義的に日の出に対応する春分には一か月半届きません。まだ春の序盤であり、わずかに温かみのある風が出てきた程度とも言えます。

もし立春を一日の中でたとえるならば、日が昇る前の薄明期(トワイライト)になります。具体的には天文薄明から航海薄明の頃、つまり日の出前の約一時間半前~一時間前くらいの時間帯です。現代では街灯や家屋の明かりもあるし、自らライトで照らせるので屋外での活動もできるでしょうが、古来は、星明りよりも少し明るくなった程度では外での活動は難しかったと思われます。

年スケールに話を戻すと、立春というのは、それほどに暗く寒かった世界にようやく薄明のごとき明るさと暖かさが戻ってきたというイメージなのです。それでも、徐々に視界が広がり、前方をはじめ四方が見渡せるようになるということが、この時期のポイントです。

ここで溶かされている氷は、いわば私たちの閉じたまぶたのようなものです。寝ていた頭をそっと起こして目を開けると、次第に視界がはっきりしはじめ、やがて遠くにあるものもわかるようになりますね。立春というのは、実はこの視野の獲得と関係しています。先を見通せる視界があることで一年の計を立てることができるし、個々ひとりひとりが自分の抱負を立てることもできる。占い的な意味でいえば、世の中の動向について予測するような、とても広い視野を獲得することも可能となるのです。